第36回日本医療福祉設備学会・シンポジウム(東京)
平成19年11月
シンポジウムのテーマは「医療経営:看護の現場力と病院経営」。副院長就任後に立てた3つの戦略について、戦略の必要性と浸透方法、今後の取り組み方について紹介した。
聖隷浜松病院副院長兼総看護部長 勝原裕美子のブログ
Powered by
Movable Type 3.33-ja
第36回日本医療福祉設備学会・シンポジウム(東京)
平成19年11月
シンポジウムのテーマは「医療経営:看護の現場力と病院経営」。副院長就任後に立てた3つの戦略について、戦略の必要性と浸透方法、今後の取り組み方について紹介した。
第45回日本病院管理学会(横浜)
平成20年日本看護管理学会リレーパネル パネリスト
平成19年10月
リスクマネジャーのキャリアパスとしては、2-3年のスパンで医療安全に専任でかかわり、病院全体をみる視点を身につけた後、その経験を活かして元の所属部門に戻って新たな視点でマネジメントにあたるのがよいのではないかという提案を行った。
共著(成田康子・村松知子・久下久美子・ウィリアムソン彰子・勝原裕美子)
第11回日本看護管理学会年次大会(高知)
平成19年8月
立て替え移転を契機に急性期医療を担うことになった看護部が、どのような諸資源の準備が必要なのかを明らかにするために、看護必要度等のツールを用いてタイムスタディを行った結果を発表した。
共著(勝原裕美子・畠中智代・野中みぎわ・ウィリアムソン彰子・林由希・リボウィッツ志村よし子)
第11回日本看護管理学会年次大会:インフォメーションエクスチェンジ(高知)
平成19年8月
今後、看護が社会で役割を拡大していくために、起業というコンセプトをこれまで以上に推進していく必要がある。そのためには、基礎教育が重要であることをこれまでの研究成果から提示した。さらに、院内起業に取り組み始めている事例を紹介し、フロアーとの意見交換を行った。
共著(Yumiko Katsuhara, Akiko Williamson, Tomoyo Kazumi, Yoshiko, S. Leibowitz)
ICN 2007 conference, June,(Yokohama, Japan)
平成19年6月
Purpose of this study is to identify the factors, which lead nurse entrepreneurs to success. More than twenty nurses of three countries are interviewed. Main findings are 1.Nurse entrepreneurs have had clear vision before starting their business. 2. Most of them started from small business. 3. They learned business management before or after running their companies. 4. They have some uniqueness. 5. They do not want to go back to the healthcare facilities as employees. 6. They are enjoying their ways of life.
勝原裕美子 著
看護研究 40(5)411-419
平成19年8月
これまで、研究倫理は研究協力者を保護するという観点から論じられ、体制が整備されてきた。しかし、研究を実施する研究者自身のモラルや、研究倫理委員会審査通過後にでくわす倫理課題について、どのように向き合えばよいのかということに焦点が当てられてこなかった。本稿では、上記のような問題提起をふまえ、ミスコンダクトの概念の紹介、日本看護科学学会看護倫理検討委員会が実施してきた取り組みなどを紹介し、課題を顕在化させると共に、取り組むべき姿勢について論じている。
勝原裕美子 著
小児看護 30(8)985-989
平成19年7月
管理者が組織文化を学ぶ必要性、組織文化を知る手がかりを解説。その後に、組織倫理について触れ、組織倫理の問題が組織および個人のキャリアに及ぼす影響について概説した。
勝原裕美子 著
看護実践の科学 32(6)28-31
平成19年6月
マグネット施設の本来の意味を解説すると共に、日本でマグネット施設の認定を受けるための可能性と豊富について言及。また、日本でマグネット指標を作成することの意味合いについてについて提言した。
共著(編著:中西睦子,分担執筆:中西睦子,水流聡子,勝原裕美子他21名)
医学書院
平成19年8月
平成10年に刊行された「看護サービス管理」の改訂版。第2章「看護サービス管の基礎」の中の「アサーティブネス」の項を追加執筆。p.52-55'。第9章「看護キャリア開発」の中の「専門職としての展望」「キャリア開発の方策」を追加執筆p.201-209

共著(監修:中西睦子、編著:上泉和子、井上悦子、水流聡子)
建帛社
平成19年1月
看護学生が看護管理の基礎知識を学習するためのサブテキストである。第1章「看護管理論」第1節「看護専門職とは」p.1-6を担当。専門職としての看護のあり方、援助専門職の特徴、プロフェッションフッドなどについて解説した。

勝原裕美子 著
ライフサポート社
2007年9月30日初版
看護学生が看護師になり、さまざまな節目を乗り越えながら看護師として成長していく姿を、実例を挙げながらキャリア理論等の観点から解説。過去から現在に連なり、明日へと続く道筋を展望するキャリアを、できるだけ現実に即しながら多面的に探ることを意図して書いた。原型は、平成17年4月から平成19年3月まで「看護実践の科学」に掲載した連載「看護師のためのキャリア論」である。

スザンヌ・ゴードン 著
勝原裕美子 監修
阿部里美 訳
エルゼビア・ジャパン
2006年9月15日 初版
スザンヌ・ゴードンは本書で、なぜコスト削減と病院の再編成が、ケアの質を保つために必要となる労働条件を悪化させているのかを検討する。また、長年続いてきた看護師-医師間の問題が現代の病院の機能不全を引き起こしている実態を示している。ゴードンの意見では、看護師に対する市民の捉え方は昔と変わらず、医療を扱ったテレビドラマに見られるようなメディアの否定的な見方や、患者にケアを提供する上で重要な役割を果たす看護師のうわべしか捉えていない新聞記事が、市民のイメージを強化しているという。
ゴードンはまた、病棟の看護師が必要な保護を受けられない元凶-看護師の階層制度や内部の対立-も明らかにしている。さらに、臨時雇いの看護師を増やしたり、発展途上国から看護師を連れてくるといったその場しのぎの解決策をしていては、看護師が職場を去っていく原因を取り除くことはできない、と指摘する。患者がよりよいケアを受けられるように、ゴードンは病棟に適切な数の看護師を配置し、勤務態勢を改善して、看護師が職場でもっと発言できるようにすることを求めている。そして、医師と看護師がもっと協力し合うにはどうしたらいいか、両者の協力関係を促すために医学生や看護学生の教育をどうしたらいいかを提案している。最後に、ゴードンはどのようにしたら看護師が自分たちの仕事をうまく説明でき、医療システムの改善を促し、患者のケアに必要な資金を捻出できるかを提示している。

ダナ・ベス・ワインバーグ 著
勝原裕美子 訳
日本看護協会出版会
2004年5月25日 初版

井部俊子/中西睦子 監修
井部俊子/勝原裕美子 編集
日本看護協会出版会
2004年2月27日 初版

パトリシア・R・アンダーウッド 著
南 裕子 監修
野嶋佐由美/勝原裕美子 編集委員
日本看護協会出版会
2003年8月20日 初版
ドロセア・オレムのセルフケア理論を精神科看護分野に活用し、“オレム-アンダーウッド理論”を構築したパトリシア・R・アンダーウッドは、何よりも理論の臨床への活用を重視し、それが出来ない理論は有用ではないと言い切る理論家であり、臨床家であり、そして教育者である。本書は、筆者が、日本において、日本の看護の進化のために14年にわたって静かな熱情のもとに活動したモノグラフであり、限りなく有用な看護実践・研究・教育のための指針の書である。

勝原裕美子 著
医学書院
2003年7月30日 初版

川島みどり/鈴木享子/勝原裕美子 編著
ぺりかん社
2002年8月25日 初版
「ありがとう!」が聞きたくて
昼夜を問わずハードな看護師さん。
元気の源は、患者さんの感謝の気持ちです。
専門的な知識と技術を駆使するナースの仕事を一挙紹介!

キャスリーン B.ゲイバーソン/マリリン H.オールマン 著
勝原裕美子 監訳
勝原裕美子/増野園恵/井上真奈美/渋谷美香 訳
医学書院
2002年7月15日 初版

スザンヌ・ゴードン著 勝原裕美子/和泉成子訳
日本看護協会出版会
1998年7月20日初版
「ケアの価値を知る」
人間の生(Life)を支える真の資源となるもの、それは、「ケアのタペストリー」を織り上げるナースたち。
医療の経済主義的合理主義(マネジド・ケア)に翻弄される現代アメリカの問題点を鮮烈に提示して、看護職、市民、医療政策者に衝撃を与えた傑作!
平成19年10月の予定
26日(金) 第45回日本病院管理学会(横浜)
平成20年日本看護管理学会年次大会とのリレーパネル
「医療安全管理者のキャリア・ラダーを考える(1)」 パネリスト
平成19年11月の予定
14日(水) 第36回日本医療福祉設備学会シ(東京)
シンポジウム Ⅱ:「医療経営~看護の現場力と病院経営~」
シンポジスト 「看護の現場力を刺激する3つの戦略」
http://heaj.org/heaj-meeting_36/HEAJ_meeting_36.htm
22日(木) 聖路加看護大学大学院生に講義「組織倫理」
27日(火) 厚生労働省病院課平成19年度看護部長・総看護師長研修
「看護師のためのキャリア論」
30日(金) 大手前大学講義「キャリア論」
第36回日本医療福祉設備学会シ(東京)
シンポジウム Ⅱ:「医療経営~看護の現場力と病院経営~」
2007年11月18日(日)
浜松駅前のフォルテ地下2階フォルテホールにて、院内外のあらゆる職場からエントリーされた22の演題が発表された。審査委員長として、他の5名の審査委員とともに、22題をしっかり聞かせていただいた。短い発表時間の中で、どの発表もコンパクトに適切にまとめられており、質の高いものばかりであった。 今年、最優秀賞を受賞したのは、施設課による「聖隷浜松病院の省エネ活動実績報告」。地球温暖化による世界規模の危機が叫ばれている中、Co2の排出を削減するために院内で電気とガスの使用量を大幅に抑えた効果が発表された(PP参照)。院内の取り組みとはいえ、地球環境に貢献することが数値で見事に表された大胆な取り組みに大きな拍手がわいた。
同時に行われた愛媛大学大学院教授の檜垣實男先生によるメタボリックシンドロームに関する講演には、一般市民の方々の参加もたくさんみられ、盛況に終わった。
ようやくブログが開設した。
発信し続けることは大変なことだと思うが、私の考えていること、聖隷浜松病院の進んでいる方向、看護の知恵と技などを可視化するためには、発信し続け、フィードバックを受け続けるのが一番の近道だと思っている。たくさんの人に読まれるブログにしたい。
どうぞみなさんよろしくお願いします。
2007年11月15日~16日
今年でなんと28回目を迎える3年目研究。2日間にわたり、45題(一人残念ながら体調不良で欠席)の発表が行われた。
ねらいは昔からずっと変わらず、“日々の看護を見直し、自分の気づきや疑問を研究のプロセスを通して発展させ「私のしたい看護」を明らかにする”こと。演題は、自分自身をみつめる内容のもの、業務改善に関するもの、エビデンスの構築に関するもの、ケアの見直しに関するものなど実にさまざまだった。それぞれが取り組みたいと思う“動機”の部分だけは何があっても大切にするという支援体制のもと、5月から取り組んだ成果が発表に至った。 発表者の自分や自分の看護に向き合う真摯な姿勢に感動すると共に、発表に対する評価者の適切なコメント(研究の動機、優れている点、わかりにくい点、今後への期待がコンパクトにまとめられたコメント)の質の高さにも感激した。こうして、看護の歴史と文化が継承されてきたということを改めて感じた2日間だった。
緊張感漂う発表風景
評価者も真剣です
発表を終えて、いい笑顔
勝原裕美子 (かつはらゆみこ) と申します。
★大阪生まれ
つまり、関西弁だということです。
お好み焼きとたこ焼きをこよなく愛しています。
★同志社大学文学部英文学科卒業後、(株)京阪百貨店勤務。
英語は「ペラ」くらいです。デパガ時代に培った包装スキルは今も健在。何でも包みます。
聖路加看護大学卒業後、国立循環器病センター勤務。
大学でも病院でもかなり激しいリアリティ・ショックを受けた経験が、今活かされています。
★兵庫県立看護学部教育・管理看護学助手、講師、助教授、兵庫県立大学看護学部助教授を経て、2007年4月より聖隷浜松病院副院長兼総看護部長。
研究も教育も大好きで、大切にしてきました。今は臨床の管理を大切に思っています。
研究テーマは、主にキャリア論、組織倫理論、起業家育成論などです。
★神戸大学経営学研究科博士後期課程修了(博士・経営学)。
【趣味】
●小唄・三味線(名取名 蓼洋勝飛)
●文楽鑑賞
●温泉につかること
【しばらくご無沙汰しているが再開したい趣味もどき】
○ろうけつ染
○囲碁(10級くらいと思います)
○ゴルフ(ハンディ・・・忘れました)
(池田守男・金井壽宏著)かんき出版 2007年11月17日
恩師の金井壽宏先生に、すいぶん前からサーバントリーダーシップの概念を教わっていた。提唱者はグリーンリーフであるが、その意向を引き継いだグリーンリーフ・センター・アメリカ本部長のラリー・スピアーズによるサーバントリーダーシップの10属性を(p.76-77)を最初に先生から見せられたとき、すぐに「これらの属性は看護師に当てはまります」とコメントしたことを今でも覚えている。ちなみに、それらは、(1)傾聴、(2)共感、(3)癒し、(4)気づき、(5)説得、(6)概念化、(7)先見力、予見力、(8)執事役、(9)人々の成長にかかわる、(10)コミュニティづくり。 リーダーシップというと、ぐいぐい人を引っ張るというイメージが強い。しかし、著者の一人である池田氏は、資生堂で秘書として5代の社長につかえてきた方だ。社長就任の打診があったとき、悩まれたあげく、社長として全社員に仕えることで全社員を支えようと思い引き受けられたという。サーバントリーダーシップの実践者である池田氏の体験談と、リーダーシップ研究の第一人者の金井先生との理論解説とのバランスがよくとれている本である。 なお、池田氏が最初にサーバントリーダーとい考え方に触れたとき、この考え方は、「イエス・キリストが弟子の足を洗ったという故事のように、上の地位の者が下の者を支えるという考えと、まったく同じではないかと思い至った」(p.116)とのこと。まさしく、「聖隷」の原点である。
マークの由来
ヨハネによる福音書代13章に、「最後の晩餐」のとき主イエスは、たらいに水を入れて弟子たちの足を洗い…とあるように、自ら進んで奴隷の業を行いました。外側の二重円は、このたらいを表しています。内側の三つの円は、赤色が医療を、青が教育を、緑が福祉を表わし、中央の十字架は「キリスト教精神にたって事業を行う」基本精神を示しています
Peter Jarvis(1999) Jossey-Bass Publishers, SF.
ちょうど院内看護部の3年目研究の講評準備をしなくてはならないと思っていた矢先に、出会うべくして出会った本。まさにシンクロニシティだ。この本は、実践家が研究することの意味について書かれている。研究と仕事実践との乖離がみられるのはおかしな話で、私のように臨床と学者の世界を行き来していると、両者が融合されなければ社会的な発展はあり得ないと思っている。学者やエキスパートがすべての現象を理解しているわけではない。むしろ、現場にいる実践者が何が起きているのかをもっとも身近で理解し、それに直面している。
カンファレンスやミニプロジェクトを通して、実践家は常に現場の改善、ケアの改善を心がけており、研究的視点で実践の向上をめざしている。そこでいう“研究”が独りよがりのものであったり、既にエビデンスとして確立されているものであったりすれば、それに費やすエネルギーがもったいないが、そうでなければそれらをミニ研究として位置づけるには意味がある。ただし、ミニ研究が成果を挙げた暁には必ず社会の目に触れるようにすること。書き残すこと。そうでなければ、同じような労力が世界中で使われることになる。
(デヴィッド・ボーム著、金井真弓訳)英治出版 2007年
「シンクロニシティ」とシンクロナイズされ同時発売された本。 本書の内容を象徴的に表す事例としては、20世紀を代表する2人の物理学者、アインシュタインとボーアの関係性(p.96-98)がわかりやすい。2人は学者として互いを尊敬し活発な議論を交わしてきた。しかし、アインシュタインは相対論、ボーアは量子論の見解を頑として譲ることができなかった。友好的に何度も議論を戦わせるが、妥協をみないとわかったとき、2人の間の溝は深まり対話はなくなった。 本書は、「一貫性のないこと:インコヒーレント」の真の理解が「一貫性のあること:コヒーレント」のさらなる真の理解につながることを述べている。先の2人の学者が、自分と相手とは異なる存在として認識することはインコヒーレントである。自分も相手も正しいという真実合戦を認めるとき、意味の共有は図れないとボームはいう。2人がここで対話を続けていけば、つまりそれぞれの真実の主張ではなく、自分たちの意見を保留して意味のコヒーレントを図る努力を続けていけば、相対論と量子論を越えた新しい理論にたどりつくこともありえたというのである。 世の中にみられる多様な見解について、人は新たな調和を求めようとするが、いったんコヒーレントな状態になると、そこにまたインコヒーレントに敏感な人が反応する。「コヒーレンスへの動きは人間本来のものと思われるが、思考のせいで混乱させられている。きわめてインコヒーレントな反応は、記憶のプログラムの中に存在する。それをどうやって突き止めたらいいのか、どんな意味があるのかわからない」(p.165)
ある価値観や真実(だと思われていること)に固執するというインコヒーレンスは危険だが、真のコヒーレントは暗黙の領域から生まれるという。ピーター・センゲの解説の言葉を借りれば、「核となる問題は、変化する世界の中での共存方法を我々が知らないということ」である。だからこそ、我々には意味の共有をはかるための議論と対話が欠かせない。
(ジョセフ・ジャウォースキー著、金井壽宏監修、野津智子訳)英治出版 2007年
最初は、どこがリーダーシップの本だろうかと思った。著者の伝記として読めばそれはそれでおもしろいが、リーダーシップの本のつもりで読み始めたため、前半はぴんとこないことが多かった。しかし、後半にはいると、ジャウォースキーという社会起業家が、なぜ社会起業家に至ったのかが表題のシンクロニシティ(同時性・共時性)という言葉と実にフィットするようになり、これは社会的リーダーの話、世界の一体性をもたらすリーダーの話だということへの理解が進んだ。 Synchronicityは、リーダーズ英和辞典によると、共時性ともいい、ユングが提唱した概念となっている。「2つ以上のできごとが同時に生じ、意味のある関連があるようにみえていて因果関係が判明しない」という現象を説明するための原理だという。ジャウォースキーの意図とは別に、次々と起こる現象が、自分のなすべきこと、生きる意味を問うことにつながっていることに気づいたとき、彼はこれまでの生きかたをすべて変えた。次々と起こる現象の発端には、デヴィッド・ボームとの対話も含まれている。彼がボームから学んだのは、「すべての物質も宇宙も、絶えず動いている。私たちの目には見えないレベルで、完全な全体性すなわち「内蔵秩序」があり、そこから、分断しているように見える出来事が生じていく。すべての人類は、絶えず出現する完全な全体性の一部である。そして、人生における責任の一つは、心を開き、学ぶこと。それによって、新たに現れる現実を感じ、それを実現できるようになることである」(p.220)ということで、この学びから彼の人生にシンクロニシティが生じ始めたという。
彼の人生が特別なものだという読み方をすれば、小説で終わってしまう。しかし、彼に起きたシンクロニシティを通して、読み手が自らの世界観がどのように構成されているかに思い至ることができたなら、彼とのシンクロニシティをも感じられる本だと思う。