Peter Jarvis(1999) Jossey-Bass Publishers, SF.
ちょうど院内看護部の3年目研究の講評準備をしなくてはならないと思っていた矢先に、出会うべくして出会った本。まさにシンクロニシティだ。この本は、実践家が研究することの意味について書かれている。研究と仕事実践との乖離がみられるのはおかしな話で、私のように臨床と学者の世界を行き来していると、両者が融合されなければ社会的な発展はあり得ないと思っている。学者やエキスパートがすべての現象を理解しているわけではない。むしろ、現場にいる実践者が何が起きているのかをもっとも身近で理解し、それに直面している。
カンファレンスやミニプロジェクトを通して、実践家は常に現場の改善、ケアの改善を心がけており、研究的視点で実践の向上をめざしている。そこでいう“研究”が独りよがりのものであったり、既にエビデンスとして確立されているものであったりすれば、それに費やすエネルギーがもったいないが、そうでなければそれらをミニ研究として位置づけるには意味がある。ただし、ミニ研究が成果を挙げた暁には必ず社会の目に触れるようにすること。書き残すこと。そうでなければ、同じような労力が世界中で使われることになる。