(ロバート・K・グリーンリーフ著 金井壽宏監訳、金井真弓訳、英治出版、2008)
サーバント・リーダーシップとうい言葉を最初に耳にしたのは、
もう10年以上も前のことになる。
リーダーシップ研究の第一人者である神戸大学の金井壽宏教授から
最初にこの概念を紹介されたとき、
我々看護職が基礎教育で大事だと学ぶ内容とぴったり一致するという
感想を述べた記憶がある。
かつて金井先生がスライドにされていた
サーバントリーダーの10の属性(グリーンリーフセンター長を務めたスピアーズが整理したもの)が、
本書の監訳者解説573-574にも掲載されているので、紹介しよう。
1.傾聴
2.共感
3.癒し
4.気づき
5.説得
6.概念化
7.先見力・予見力
8.執事役
9.人々の成長に関わる
10.コミュニティ作り
サーバント(奉仕者・召使)という概念と、いわゆるリーダーシップの考え方とは
相容れないように思われる。
それを、グリーンリーフは次のように整理する。
「そもそもサーバントである人は、他人が最も必要としているものを与えるために、
相手の立場で考え、相手の気持ちを推しはかる能力に磨きをかけることが多い。
一方、そもそもリーダーである人は、あとになって良心の呵責から、あるいは一般的な期待に沿って
奉仕する。」(p.55)
奉仕という言葉が、我々の文化の中ではとってつけたような響きをもってしまうが
解説を含めて570ページにも及ぶ本書を読むと
私たちのそばにありながらも、壮大で崇高で、深く尊い考え方であることがわかる。
グリーンリーフは、
「生まれつきサーバントとしての素質を持つ人に、
人を導く権限が与えられるべきです。(中略)
生まれつきサーバントの素質を持つ人々が、
いっそう努力することで組織の型が作られるのです」(p.386)と述べる。
この言葉をよくかみ締め、
サーバントリーダーが組織内で埋もれてしまわないようにしないといけないし、
サーバントリーダーを育てなければならないし、
自らのリーダーシップのあり方をよく考えなければならないと
そんなことを感じさせられた一冊であった。
(平成21年1月24日)