(M.チクセントミハイ著、大森弘監訳 世界思想社)2008年
原本(Good Business: Leadership, flow, and the making of meaning)を読んだのは、
2004年。
最初のほうは、たくさんの書き込みの跡があるが、
最後のほうは、流し読みだったらしく、アンダーラインしか残っていない。
翻訳が出ていたとはまったく知らなかった。
良書が翻訳で出るのはありがたい。
じっくり読もうと思ったが、
やっぱり最初から3分の2くらいに付箋がたくさんついた。
本書に先立ち、
ハーバード大学のハワード・ガードナー、スタンフォード大学のウィリアム・デーモン、そして本書の著者であるチクセントミハイの3人が始めたGood Work Projectがさまざまな成果を上げている。
3人の共著であるGood Workという著書を、随分前にサンフランシスコ空港で手にしたのが
このプロジェクトを知る発端だった。
本書は、そのプロジェクトの延長線上にある。
「ビジネスの成功とより広い社会的な目標にたいする責任のために、
仲間に感銘を与えてきたリーダーがどのように仕事を進めているのか、
すなわち、どんな志をもってやる気を起こし、
理想を追求してどのような組織を発展させようとしているのか」(p.5)
を探ることが、本書の目的だとされている。
多くの人々の、生のインタビューデータから、
自組織や今の時代だけを考えるのではなく、それらを越え、
組織やビジネスが社会に何ができるのか、
価値ある存在であり続けることがどういうことかを考えさせられる。
利己心をもたず、成功へのすさまじい願望をもつ明確なビジョンをもつリーダーの
5つの共通する特徴(p.198)は、次のようだ。
1.かぎりない楽観主義(人類の幸福を考える。人には人生という舞台で演じるべき重要な役割があるという信念)
2.誠実さが重要だという強い信念
3.志の高さ(粘り強さと対になり、困難を切り抜ける)
4.好奇心と学ぶ意欲
5.他者に対する共感と互いに尊重する気持ち
これらの特徴は、the soul of business, 「ビジネスの魂」という章に出てくる。
その「魂」というのがいい。
魂がないリーダーには誰もついていかない。
(平成21年2月28日)