表題、なんて読むかおわかりになりますか?
正解は、「てんぺすとあらしのちはれ」です。
今宵は、夏休み文楽特別公演、「天変斯止嵐后晴」に行ってきました。
シェイクスピア作「テンペスト(あらし)」が原作ですが、
山田庄一脚本・演出、鶴澤清治作曲での公演です。
何を隠そう、私は英文学科を出たことがあり、
多少はシェイクスピアもかじっていました。
それだけに、今回の出し物は興味津々。
最初の数分間、舞台にずらりと三味線が並び、
嵐を表現する激しい音色が鳴り響きます。
ああ、これからの2時間、楽しめそうだというのが、すでに伝わってくいるオープニング。
そのとおり、実に見事な構成で演出がなされており、最後まで楽しめました。
文楽ではよく人が亡くなる場面が登場するのですが、
今回は、恨み骨髄の仲にある者に対しても、
死や暴力で対応するのではなく、
相手に人としての生きる道を説いていきます。
そして、自らの怨念をも解き放つというストーリーなので、
とても心が豊かになります。
たとえば、
主人公左衛門の台詞。
「・・・目前に在りと思う物も、例えば砂上の高楼にて、一切空と悟るべし。
人間本来無一物、眠りに始まり眠りに終る。
ただ一時々々を大切に生きる事こそ肝要ぞ。」
これは、自分の娘と憎き相手の息子との祝言の場で語られます。
この台詞を義太夫が語るのですから、すごいのです。
清冶さんの三味線もすぐそばで見れて(聞けて)、大満足の夏の夜でした。